[原子力産業新聞] 2005年7月28日 第2293号 <4面>

[原研] 電子回路の放射線効果 DOEが研究協力

 日本原子力研究所は、電子回路の放射線照射効果に関して米国サンディア国立研究所と協力研究を進めるため、このほど米国エネルギー省(DOE)と研究協力の取決めを締結した。

 取決めに基づき両機関は、基本構造の半導体素子を協力して設計・試作し、双方の研究所が有するイオン照射施設によりイオン照射や電気測定などを実施。この実験データや解析理論・手法に関する検討・情報交換を行い、放射線による電子回路の誤動作・故障発生モデルの構築などを効果的に進める方針。これにより耐放射線性評価方法の国際的統一化や放射線に強い電子回路の開発に貢献するとしている。

 原研は高崎研究所のイオン照射研究施設(TIARA)により、電子回路の特定位置に高エネルギーイオン一個を照射、この時の微弱電流を精度良く測定する技術を実用化するなど、この分野でも実績を持つ。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.