[原子力産業新聞] 2005年8月4日 第2294号 <4面>

[運転速報] 7月利用率は75.8%へ3.4ポイント上昇

 日本原子力産業会議の調べによると、わが国の原子力発電所の7月の平均設備利用率は75.8%、時間稼働率は74.5%で、いずれも前月より3.4ポイント上昇した。長らく運転を停止していた東京電力の福島第一1号機(=写真一番奥)のほか、定期検査中にあった3基が戦列に復帰し、盛夏の電力需要期に対応する供給体制が整ってきた。

 炉型別の設備利用率では、BWRが70.8%で前月より2.4ポイント上昇、PWRが82.9%で同4.7ポイント上昇した。

 今年7月の全原子力発電所平均設備利用率は、昨年同月の79.0%にはやや及ばないものの、発電電力量は、265億7050万9000kWhで、同268億9419万kWhに比肩する水準だ。

 設備利用率が100%以上に達した発電炉は29基で、最高は関西電力の高浜2号機が記録した104.3%。月ごとの利用率でみると、同機は5か月連続で首位に立っている。以下、同高浜1号機(103.1%)、四国電力の伊方3号機(102.8%)がこれに続く。

 7月13日におよそ2年8か月ぶりで発電を再開した福島第一1号機は、各種運転データの測定・評価を行い、15日にプラントを一旦停止し各種機器の点検を実施した後、24日に発電再開、翌25日に定格出力に達した。

 このほか、定検中だった同福島第一2号機、関西電力の高浜3号機、中国電力の島根1号機も7月中に、それぞれ運転を再開している。

 現在試運転中の東北電力の東通1号機(BWR、110万kW)は30日14時に電気出力100%に達し、今秋の営業運転開始に向けて最終段階での試験に入りつつある。


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