[原子力産業新聞] 2005年8月4日 第2294号 <3面>

[原研、高エネ研] J−PARCで基本協定に調印

 日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は8日、大強度陽子加速器施設(J−PARC)の運営に関する基本協力協定を締結した。両機関の協議機関として運営会議、運営組織としてJ−PARCセンターなどを設置。国際公共財との認識のもと成果を最大限に引き出す運営を目指す。

 東海研究所で行われた署名式(=写真)には原研の岡ア俊雄理事長、KEKの戸塚洋二機構長らが出席。岡ア理事長は「J−PARCは中性子利用・研究の飛躍的な発展と核変換による高レベル放射性廃棄物の処理が大きなテーマ。産業界との協力も重要であり、今後とも各方面のご支援をお願いしたい」と挨拶。戸塚機構長は「運営は安全を第一に、国内外の研究者にオープンな施設として、世界最高の素粒子研究拠点となるよう努力する」とした。

 協定は相互協力、運営体制、安全管理など基本的枠組みを定めたもの。運営体制では運営会議、J−PARCセンターとともに、国際的視点からアドバイスを行う国際諮問委員会、利用者の意見・要望を反映する利用者協議会などの設置も盛込んでいる。J−PARCセンターは今年末か来年始めに発足する予定で、供用時には両機関のスタッフだけで300名以上の陣容になる。


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