[原子力産業新聞] 2005年9月8日 第2298号 <3面>

[米GE社] ESBWR NRCに設計認証申請

 米ジェネラル・エレクトリック(GE)は8月30日、同社が開発を進めてきた150万kW級の経済的簡素化BWR(ESBWR)について、米原子力規制委員会(NRC)に設計認証を申請したと発表した。

 GEは8月24日、7500ページからなる申請書と設計文書をNRCに提出。これは19章からなるもので、GEが10年間、15万人・時をかけて作成したもの。同社は、2006年後半にも設計認証を得、その後すぐに最終設計承認を得られると期待する。

 ESBWRは、ABWRの設計を基礎に、通常運転中の炉心冷却を自然循環に頼るなど、受動的安全性を取り入れた、いわゆる第三世代プラス炉。

 GEは1992年から炉心を自然循環により冷却するBWRの開発を始め、67万kWのSBWRを開発した。その後、経済性を向上させるため出力を大型化、またABWRによって実証されている技術を取り入れ、これがESBWRとなって結実した。重力駆動冷却システム(GDCS)や受動的格納容器冷却システム(PCCS)など、重力や自然循環などによる受動的安全システムを大幅に取り入れている。原子炉熱出力は450万kW、電気出力165万kW。GEは、オーバーナイト建設費を1160ドル〜1250ドル/kWとしている。

 GEは2002年8月、NRCにESBWRの申請前審査を求め、NRCは同炉の冷却水喪失事故についてARACG熱水力学コードを用いた解析を終了。現在同コードを用いて、ESBWRの熱水力学的安定性やスクラム失敗事象の解析等を進めている。

 ESBWRについては、建設・運転一括許認可(COL)を目指して電力・メーカー各社が作ったニュースタート社が参照設計の一つとしているほか、ドミニオン社やTVAも導入を検討している。

 GEは2007年頃に最終設計承認を得た後、2010年にもESBWR初号機の建設を開始、2014年頃に商業運転を始めたいと意欲を見せている。


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