[原子力産業新聞] 2005年9月8日 第2298号 <4面>

[運転速報] 8月利用率は74.5%へ1.3ポイント下降

 日本原子力産業会議の調べによると、国内原子力発電所の05年8月平均設備利用率は74.5%、同時間稼働率は72.1%で、定期検査中にあった3基が戦列復帰したものの、16日に東北地方で発生した地震により、東北電力の女川発電所三基が停止したこともあってか、設備利用率は前月より1.3ポイント下降する結果となった。各発電プラントの稼働状況等は、図表の通りである。

 今期、全原子力発電所の発電電力量は261億3163万6000kWh、設備利用率と合わせて先月より下降しているが、美浜二次系配管破損事故のあった昨年同月(電力量238億8917万5000kWh、利用率70.2%)までの落ち込みには至らなかった。炉型別の設備利用率は、BWRが66.7%と前月より4.1ポイント下降、一方で、PWRは85.8%と同2.9ポイント上昇した。また、利用率が100%を越えた発電炉は25基を数え、その筆頭は先月に引き続き、103.6%を記録した関西電力の高浜2号機、月ごとのデータで同機はこれで6か月連続の首位となった。加えて高浜発電所は、利用率2位に102.8%の3号機、3位に102.4%の4号機(四国電力の伊方3号機も同率)がランクされる好調な稼働振りを見せている。

 定期検査に伴い停止していた発電プラントでは、東京電力の福島第二4号機、関西電力の美浜1号機、同大飯3号機の計3基が月内に発電を再開した。

 なお、東北電力の女川発電所は16日11時46分、宮城県沖を震源とする地震により、1〜3号機の各原子炉が自動停止、8月のほぼ月央だったため、各炉とも時間稼働率は50%に止まった。この自動停止による環境への放射能の影響はなく、同社では今後、保安規定に基づき、原子炉格納容器、非常用炉心冷却系統などの健全性を確認することとしており、点検工程について検討している。運転再開の時期は未定だ。


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