[原子力産業新聞] 2005年9月22日 第2300号 <3面>

[米国] 新規原子力発電所 米電力が建設に意欲

 米国では、新規原子力発電所建設に意欲を持つ電力会社が次々に現れている。

 8月には、サザン・ニュークリア・オペレーティング社が、運転中のボグトル原子力発電所サイトに新規原子力発電所を建設する可能性について、早期サイト許可(ESP)か建設・運転一括許認可(COL)の申請を米原子力規制委員会(NRC)に行う意向を示した(本紙9月1日号3面)。これに続き、サウスカロライナ・エレクトリック&ガス(SCE&G)社は、新規原子力発電所建設の可能性調査に乗り出す方針を示した。

 さらに8月29日には、ノースカロライナ州を拠点とし、5基の原子力発電所を運転しているプログレス・エナジーが、2008年初頭にもNRCにCOLの申請を行う計画を発表した。同社は新規原子力発電所建設を目指す「ニュースタート」コンソーシアムにも参加している。

 SCE&G社は、サウスカロライナ州営電力会社のサンティー・クーパー社と協力し、新規原子力発電所建設の可能性を探る調査に着手すると発表した。両社は共同でV・C・サマー原子力発電所(PWR、95万kW)を所有している。

 この研究は、2015年までのエネルギー需要を考慮して、新規発電施設の必要性を見積もるもの。SCE&G社のN・ロリック社長によると、新たなベースロード発電所は、今後10年間は必要ないかもしれないが、許認可取得と建設に8年〜10年を要するので、計画立案は今開始する必要があるという。ただし同社は、新規発電所を原子力に限定しておらず、あらゆるオプションについて、費用と効果を分析するとしている。

 プログレス・エナジーは8月、NRCに新規原子力発電所のCOLを申請する計画であることを通知した。これは、申請後、NRCが速やかに許認可作業を行えるようにするためのもの。同社は、サイトと炉型を2005年末までに選択、2008年初頭にCOLを申請し、NRCの許可を得た後、2010年にも新規原子力発電所の建設を開始、2015年に運開させる計画を示している。

 プログレス・エナジーは、新規原子力発電所の建設決定は数年先のことであり、その時点での電力市場の状況、需給見通し、他の燃料費との比較、規制環境、使用済み燃料処分、ファイナンシングなど、多くの状況を見て判断すると述べている。


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