[原子力産業新聞] 2005年9月22日 第2300号 <3面>

[ドイツ] 混沌とする独原子力政策 推進派、連邦議会で過半数取れず

 今後のドイツの原子力政策を決めるだけでなく、欧州全体の原子力発電のゆくえにも大きな影響を与えるとして注目を集めていたドイツ連邦議会(下院)選挙が18日、開票された。

 総議席数608議席のうち、メルケル党首率いる野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が225議席と、前回獲得議席248議席より減らしながらも第一党に躍進。シュレーダー首相率いる与党社会民主党(SPD)は前回獲得251を222議席に大幅減。

 しかし、いずれも過半数を獲得できなかったうえ、獲得議席の差は3議席と微妙な結果。さらに、選挙が延期された選挙区があったため最終議席数が確定せず、シュレーダー、メルケル両党首とも「勝利宣言」。CDU・CSUとSPDによる「大連立」の可能性も模索されるなど、混沌とした情勢だ。

 今回の選挙結果がエネルギー・原子力政策に及ぼす影響について、ドイツ原子力産業会議のベスナー広報官は本紙に、原子力推進政策を取るCDU・CSUとFDPが合計でも過半数を取れなかったため、「全く予測できない」とコメント。「大連立が最もありそうなシナリオ」として、エネルギー・原子力政策がはっきりするのは、10月半ば以降になると述べている。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.