[原子力産業新聞] 2005年9月29日 第2301号 <1面>

[独立行政法人評価委] 新法人の中期目標・計画を了承

 日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の統合により10月1日に発足する「日本原子力研究開発機構」の、中期目標案および中期計画案が28日、文部科学省独立行政法人評価委員会(委員長=渡邉正太郎経済同友会副代表幹事)で審議(=写真)され、両案は了承された。来月の発足から2010年3月末までの四年半で原子力機構が達成すべき目標および計画を示すもので、中期目標は機構発足日に主務大臣(文科・経産相)より公表される。(四面に機構の概要)

 <日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構は10月1日、「独立行政法人日本原子力研究開発機構」として統合・発足する。独立行政法人通則法に基づき、主務大臣による中期目標設定、中期計画認可に先立ち、同評価委に諮問された。/P>

 中期目標案は、@国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上A業務運営の効率化B財務内容の改善Cその他業務運営――について、同機構が達成すべき目標を定めており、中期計画案も概ねこれに沿った形で記述されている。

 中期計画案によると、「もんじゅ」については改造工事・確認試験等終了後、運転再開し、100%出力運転を行い、発電プラントとしての信頼性実証・向上を図るなど、高速増殖炉サイクル技術の確立に資するとしている。また、新法人設立時の職員数は4386名、本年度予算額は1910億9900万円だが、中期計画末時点で4000名程度を指標に、管理部門職員を中心として500名程度削減するほか、一般管理費についても期間中に15%以上を削減、他の独立行政法人と同レベルとするなど、業務・人員の合理化・効率化を図っていく。

 出席者からは「原研の基礎・基盤研究とサイクル機構のプロジェクト開発といった性格を異にする事業の評価方法を今後考えないといけない」(鳥井弘之東工大原子炉工学研究所教授)、「独立行政法人制度の目的は、国民に提供するサービスの効率性、質の向上だが、そのインセンティブが働きにくい。特殊法人の二の舞を踏まぬよう」(岡本義朗UFJ研究所主席研究員)といった発言があった。

 既に原子力委員会の意見聴取も終え、今後は財務省との協議等を経て中期目標を決定。それを受け新法人は中期計画を作成、国から認可の予定。


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