[原子力産業新聞] 2005年10月6日 第2302号 <2面>

[経産省] 玄海でプルサーマルシンポ開催

 経済産業省は2日、佐賀県・玄海町でプルサーマルシンポジウムを開催(=写真)した。約630名が参加、プルサーマルの必要性と安全性の討論や説明に耳を傾け、特に安全性では参加者からも様々な意見や質問が出された。佐賀県の古川康知事、玄海町の寺田司町長、九州電力の松尾新吾社長も傍聴。古川知事は、「必要性の理解は進んだと思うが、安全性の理解は進んだと言い難い」とした。県は来月、県主催の説明会を開催する予定。

 シンポジウムはエネ庁主催による第一部の必要性と保安院主催による第二部の安全性で構成。第一部では経産省がエネルギーセキュリティー上の利点などを説明。パネルでは賛成の立場から内山洋司・筑波大教授、大橋弘忠・東大教授、山名元・京大教授、反対の立場から小林圭二・元京大講師、伴英幸・原子力資料情報室代表、吉岡斉・九大教授の各氏が討論した。

 内山教授は原子力政策大綱策定での検討内容、大橋教授はマスメディアによる誇張情報ではなく正確な情報による合理的判断が必要なこと、山名教授はプルサーマルによるウラン燃料の節約効果の大きさについて説明した。これに対して小林氏はプルトニウムを扱う危険性、伴代表は資源節約の少なさやコスト高、吉岡教授は事業者判断で地元との合意により進めるべきなどと指摘。会場からは九電の計画におけるプルトニウム富化度のレベル、再処理工場トラブル時の対応などの質問、国内に核燃料サイクルを確立すべきとの意見などが出された。

 第二部では保安院が安全審査の内容を説明。トークセッションでは阿部道子・放医研研究員、竹田敏一・阪大教授、古屋廣高・九大名誉教授が放射線、燃料、炉心などを説明した。会場からは、設置当初からプルサーマルを前提としていたか、テロ攻撃や地震対策への対応、働く人の被ばく量は変化するか、使用済みMOX燃料処理の目途などの質問とともに、審査期間7か月は短く更なる検討が必要、安全審査は独立した機関で行うべき、最初に危険性から話すべき、玄海が日本初で実験場になることは避けるべき、などの意見が出された。

 会終了後、寺田町長は説明の一つのステップであり安全性の説明には時間が必要との見解を示し、松尾社長も「安全に依然不安があることは理解した。今後も説明活動を続ける」とした。


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