[原子力産業新聞] 2005年10月6日 第2302号 <3面>

[IAEA理事会] イラン非難決議案を可決

【9月26日ウィーン=喜多記者】イランの核不拡散条約(NPT)にもとづく保障措置協定違反等を巡って、9月十九日からウィーンのIAEA本部で開かれていた同機関理事会は24日、イランによる数々の保障措置協定違反および濃縮関連活動の停止を求めた理事会決議への違反を非難。IAEAが未だにイランにおける保障措置活動を完結できない状況を指摘した上で、イランに濃縮活動の停止や追加議定書の早期締結等を求める決議案を、採決により可決した。焦点となっていた国連安全保障理事会への付託は先送りされた。

 決議案は、イランとの交渉に当たってきた英仏独が提案したもの。

 今回は、イランのブシェール原子力発電所建設を支援しているロシアが、決議案に強く反対していたほか、非同盟諸国も時期尚早として態度を保留したため、異例の採決による採択となった。IAEA筋によるとロシアは最終的に棄権、中国も棄権した。


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