[原子力産業新聞] 2005年10月13日 第2303号 <4面>

[原子力委] 御前崎で市民参加懇開く

 原子力委員会は5日、静岡県御前崎市で市民参加懇談会in御前崎「知りたい情報は届いていますか」を開催(=写真)した。約240名が参加、情報の内容や提供のあり方とともに、地震に対する原子力発電所の安全性、プルサーマル計画などについても活発な意見交換が行われた。

 「知りたい情報」をテーマとする同懇談会は先月の福岡に続く開催。原子力委員も近藤委員長はじめ全員が出席した。

 事前に登録した10名からの意見は、「一般市民に理解し易い内容での情報提供が必要」、「実際に見て従業員と会話することでコミュニケーションが生まれる」、「現在最も欲しい情報は東海沖地震に浜岡発電所が耐えられるかどうかの正確な評価。安全協定に事前了解の項目を入れて欲しい」、「プルサーマル計画の分かり易い説明を」、「トラブル発生時の広報遅れは不信を招く」、「トラブル事象だけでなく原因を正確に分かり易く知らせるべき」、「情報は知りたいと思う人には届き、思わない人には届かない」、「この地域の漁業者は磯焼けに苦しんでおり、発電所の温排水と磯焼けが関係するか調査し情報が欲しい」、「推進側は不都合な情報を隠蔽する。同じ情報を共有した上での議論が必要」、「事業者の安全という言葉を信じており、プルサーマルも必要と思うが、市民に分かり易い説明を」など。

 会場からは、東海沖地震が終るまで発電を中止し地震に対する安全性について専門家を交え公開の場で住民が判断できる情報を提供して欲しい、プルサーマル実施は一方的な通告と感じており情報提供に努め住民の意見を聞くべき、事故の際に住民はどうするかという危機管理の情報が不足、などの意見が出された。

 特に東海沖地震と原子力発電所の安全に対して高い関心が示されるとともに、プルサーマル計画では、海外での実績や日本のエネルギー政策の観点から賛成するとの意見と、安全性で不安とする意見が交錯した。


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