[原子力産業新聞] 2005年10月20日 第2304号 <1面>

[青森県] 三村知事 原子力委員長等と会談

 青森県の三村申吾知事は中間貯蔵施設の立地に関連し、7日から13日にかけて関係閣僚などを訪ね、政府の核燃料サイクル政策や同施設の立地が永久貯蔵に繋がらないかなどの点を改めて確認した。13日には近藤駿介・原子力委員長を訪ね、核燃料サイクル政策とプルサーマル計画、プルトニウム利用の透明性、第二再処理工場への取組みなどを確認(=写真)。この中で近藤委員長は第二再処理工場について、「30年から40年先の施設を今決定することは、合理性に欠ける」とし、2010年頃からの検討に向け、当面は選択と集中を考慮、技術開発を重点的に進めることが重要との考え方を強調した。

 第二再処理工場に関する確認は、中間貯蔵された使用済み燃料が50年以内に搬出される際の搬出先が同工場になると想定されるため。今回策定された原子力政策大綱では、中間貯蔵された使用済み燃料や使用済みMOX燃料の処理の方策は、2010年頃から検討を開始するとしている。地元では将来的に同工場が具体化しない場合、中間貯蔵施設の立地が永久貯蔵に繋がりかねないとの懸念があった。このため知事は「いわゆる第二再処理工場については六ヶ所再処理工場の操業終了に間に合うよう、技術開発など万全の体制で臨んで欲しい」と要請した。

 これに対し近藤委員長は、「中間貯蔵された使用済み燃料についても再処理し、プルトニウムやウランなどを有効利用するという基本方針に則り考え、その処理に関して地元社会が心配することのないよう検討されるべき」とした。併せて、2010年頃からの検討に関し、「技術開発の進捗などが予測されるなかで、30年から40年先の施設を今決定することは、むしろ合理性に欠ける。軽水炉用、FBR用、MOXなど様々な燃料の再処理に必要な技術の全体像を見据え、優先順位なども議論しながら研究開発を効果的に進めることが重要。これは新法人である日本原子力研究開発機構の重要なテーマの一つであり、きちんと対応して頂ける」と強調した。

 プルサーマルでは「地元の理解の上で着実に実施されるべき」とし、プルトニウム利用の透明性では「事業開始前の利用計画公表が重要であり、再処理工場でも稼働前に公表されると考えている」と応えた。併せて「青森県はサイクル政策の要の施設を担っており、原子力委員会としてもこれまでの県の尽力に感謝している。今後も適切な対応をお願いしたい」と要請した。


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