[原子力産業新聞] 2005年11月10日 第2307号 <2面>

[保安院] ストレーナ取替等対策を指示 BWR事業者に

 経済産業省の原子力・安全保安院は10月27日までに、BWR電気事業者に対し、配管破断時における「非常用炉心冷却系統ストレーナ」の閉塞事象対策として、同ストレーナの大型化または保温材の取り替えといった設備上の対策などを指示した。

 BWRでは、格納容器内にある圧力抑制プールの水を非常用炉心冷却設備(ECCS)の主な水源としており、ポンプへの異物混入を防ぐため、吸込口にフィルター(ストレーナ)が取り付けられている。配管破断時に噴出するジェットの影響で配管の保温材が破損し、圧力抑制プールに落下した場合、ストレーナの閉塞が起きる可能性がある。ストレーナが閉塞されると、ECCS作動の際、原子炉に十分な水が注入されなくなるおそれがある。

 そのため保安院では、昨年各電気事業者に、ストレーナの閉塞事象に関し、保温材の実態、ストレーナの有効性評価結果を報告するよう指示するとともに、総合エネルギー調査会ワーキングループで、事業者による評価、対策の妥当性を審議。このほどBWRストレーナについて中間とりまとめを行った。今回の指示は、これらを踏まえて行われたもの。


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