[原子力産業新聞] 2005年11月24日 第2309号 <2面>

[電気新聞] 第2回フォーラム開催

 電気新聞は14日、東京・平河町の都市センターホテルで第2回フォーラム「原子力開発50年 新たな発展へ 課題と役割」を開催(=写真)した

 冒頭、勝俣恒久・電事連会長は「原子力にとって今年は明るい兆しが出て、前進の年になる。政策大綱の閣議決定、原子力部会の開催、六ヶ所再処理工場の進展、バックエンド事業の条件整備措置、プルサーマル計画への各社の取組み、中間貯蔵施設の立地などで、世界的に原子力が再評価されフォローの風になってきた。しかし課題も山積している。事業者だけでは解決出来ない問題もあり、行政機関の条件整備への取組みは心強いが、我々はこの状況に甘えることなく、最重要課題である安全と品質保証体制の向上に取組む」と挨拶。続いて近藤駿介・原子力委員長が基調講演として原子力政策大綱の趣旨を説明した。

 パネル討論では近藤委員長、甘利明・衆議院議員、橋本昌・茨城県知事、小平信因・資源エネルギー庁長官、桝本晃章・電事連副会長らが電力自由化と原子力発電、利用率向上策、国と自治体の役割分担などについて意見交換。自由化では、「市場の中だけで考えると新規開発は難しくなるが、外国の経験も踏まえ、共同開発・運用などを長期的視点で考えることが重要」(小平長官)、「2025年以降、年平均2基のリプレースが必要だが、資金の確保と地元の理解が課題。物理的にすでに5〜10年先の問題になっており、自社の事業規模で自社開発と共同開発を選択すると考える」(桝本副会長)など。

 利用率向上では、「安全の実績を積み上げて安心がある。国も積極的に関与して稼働率向上と安全・安心の回答を見つけて欲しい」(橋本知事)、「事業者のインセンティブが活きる規制体系が必要」(小平長官)、「創意工夫が許される環境をつくることが重要」(近藤委員長)など。 国と自治体との関係では、「エネルギー基本法は国・自治体・住民の協力関係構築の後ろ盾として制定したもの」(甘利議員)、「地域との共生が不可欠だが、自治体の独自検査は国会、原子力部会などでの好ましくないとの指摘を受けている」(小平長官)などの意見が出された。


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