[原子力産業新聞] 2005年12月1日 第2310号 <4面>

[原子力機構] 放出ガス測定装置開発 ITER特許で日金化学

 日本原子力研究開発機構は11月10日、国際熱核融合実験炉(ITER)に関連した核融合真空技術の特許を日本金属化学に実施許諾し、自動車用アルミニウム鋳造部品の高度な品質管理を実現する放出ガス測定装置を開発したと発表した。同社は近く「グラビマス」(=写真)の商品名で販売を開始する。

 「グラビマス」はアルミ材などの資料金属を熱する電気炉部分、真空容器、ガス分析センサー(QMS)などで構成。資料金属から発生する多種類のガスを同時分析できる。従来の気体体積法ではガス量算定のために温度や圧力などの周囲条件をモニターしながら分析する必要があったが、「グラビマス」はガス量を重量で測定する絶対測定が可能。このため測定環境に左右されず、測定値の履歴管理による高度な品質管理を実現できる。

 原子力機構では核融合炉における真空技術で特許を有しており、これを「グラビマス」の真空容器などに応用することで商品化した。すでに自動車用アルミホイールのトップメーカーのエイケンが導入を検討しているという。


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