[原子力産業新聞] 2005年12月1日 第2310号 <4面>

[SIIナノテク] 新型トリプルビーム装置を発売

 エスアイアイ・ナノテクノロジー(SIIナノテク)は、1台の装置で高品位透過型電子顕微鏡 (TEM)サンプル作製を実現したトリプルビーム装置「SMI3000TBシリー ズ」(=写真)を今月から発売する。

 半導体デバイスのデザインルール微細化に伴い、TEMや走査型透過電子顕微鏡(STEM)による高画質・高分解能観察の要求が高まり、それに対応した加工ダメージの少ない、高品位TEM試料作製技術が求められてる。アルゴン(Ar)イオンビームを用いた低加速度加工により加工ダメージを防ぐことはできるが、Arイオンビーム単体では試料観察が困難で、極薄いTEM試料作製においては加工終点検出の信頼性や作業効率の面で課題が残されていた。

 今回発売する「SMI3000TBシリー ズ」は、集束イオンビーム(FIB)と走査電子顕微鏡(FE─SEM)を複合させたダブルビーム装置に、新たに開発した Arイオンビーム鏡筒を統合するという全く新しいコンセプトのもとに開発されたトリプルビーム装置。同装置においては、集束イオンビーム加工により作製したTEM試料の最終仕上げを、Arイオンビームミリング加工で行うことによりダメージ層を 除去。逐次SEMモニタリング機能で試料形状を確認することで、加工の終点検出が容易になり、試料作製の精度と作業効率を向上させた。

 試料サイズ50mm、200mm、300mmに対応した3機種をラインナップ。価格は、1億5000万円〜3億1000万円(税別)。


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