[原子力産業新聞] 2005年12月8日 第2311号 <1面>

[保安院] 使用停止処分を解除 美浜3号機で

 原子力安全・保安院は5日、関西電力美浜3号機に対する2回目の立入検査を実施、取替工事を終えた事故部位周辺の配管が電気事業法の技術基準に適合していることを確認し、昨年9月に行った一時使用停止の行政処分を解除した。

 美浜3号機の初回立入検査は先月10日と11日に実施されたが、この際の配管肉厚のクロスチェックで一部測定値に有意な差が認められた。このため保安院は再測定を指示、関西電力は今月1日にその結果を保安院に報告していた。有意な差は測定ポイントの位置ずれが原因で、同社は今回、正確な位置を指定できる対策を実施した。

 5日の立入検査はこの報告を受けたもので、保安院は必要な厚さを満たしていることを確認し、行政処分を解除した。保安院では今後、特別な保安検査などにより、初回立入検査の際に指摘した配管取替工事の適切性確認における改善事項、二次系配管減肉管理の確実な実施について確認していくとしている。

 関西電力は5日、行政処分解除を受け、「引続き安全最優先の取組みを進め、皆様の信頼を賜ることができるよう努める」とのコメントを発表した。美浜3号機では今後も予定している定期検査作業を継続して進め、同作業完了後に運転再開に向けて使用前検査を受けるとともに、地元自治体との協議の時期を検討することになる。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.