[原子力産業新聞] 2006年1月5日 第2313号 <1面>

[経済産業省] 2030年頃「ポストもんじゅ」 FBR実用化へ 原子力部会にシナリオ示す

 経済産業省は12月26日、総合資源エネルギー調査会・原子力部会(部会長=田中知・東大院教授)第6回会合を開催、今後の核燃料サイクル実用化のシナリオについて経産省が説明、議論を行った。この中で経産省は、2030年頃に次期FBR「ポストもんじゅ」など関連施設を建設、2045年頃に第2再処理工場の操業を開始し、2050年頃に商業ベースでFBRを導入する「基本シナリオ」等を示した。

 経産省は、「基本シナリオ」のほか、FBR導入が遅れた場合と前倒しにする場合のそれぞれ2ケースを「サブシナリオ」とし、基本シナリオと併せて3ケースを提示した。

 「基本シナリオ」では、早期に「もんじゅ」を再開しナトリウム取扱技術を確立、その後、「ポストもんじゅ」等を2030年前後までに設置、またFBRサイクル用再処理・燃料加工に関する工学規模および実用化規模試験を行う。2050年頃に商業ベースでのFBRを導入、以降、運転を終える軽水炉は順次FBRでリプレースする。

 2030年前後から始まる既設炉の代替に伴う大量建設には、次世代軽水炉を開発して対応。また、商業ベースでのFBR導入までは、軽水炉燃料からのプルトニウムをプルサーマルにて再利用、プルサーマル使用済み燃料は「FBR用に貯蔵」する。

 サブシナリオ1(FBR導入遅れ)は、ウラン需給が長期的に大幅にゆるむ場合等を想定。商業用FBR導入を2090年頃とする。逆にウラン需給が逼迫した場合のサブシナリオ2(FBR導入前倒し)では、商業用FBR導入を2040年頃とし、第2再処理工場は、2045年の六ヶ所再処理工場の操業終了を待たずに操業を開始する。

 経産省の3シナリオに対して出席委員からは、「骨太な基本シナリオをしっかり示し、具体的な肉付けを」、「不確実な将来に対して『技術準備能力』の充実を」、「プルトニウムの受け皿として、FBRより高速炉の早期導入を」、「プルサーマル利用は1回のみで、プルトニウムはFBRで回すべき」、「高速炉・FBR導入の最大のネックは経済性」、「資金計画を伴ったシナリオにすべき」、「官民分担の明確化を」などの意見が出された。

 会合で経産省は、前会合で設置が決まった「電力自由化と原子力に関する小委員会」のメンバーを発表した。田中知氏を小委員長とし、電気事業者、学識経験者など11名が委員、初会合は10日に開催する。


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