[原子力産業新聞] 2006年1月5日 第2313号 <3面>

[第2回日中原子力交流会] 秦山1、2、3期など視察 原子力への熱意に感銘

 2002年の第1回に続き、昨年8月28日から9月2日まで、第2回日中原子力発電技術交流会が、秦山原子力発電所が立地する秦山核電新村内の国光賓館で開かれた。

 本交流会は、日中科学技術文化交流センター主催、原産協力によるもの。西澤潤一センター名誉会長・原産会長を団長、藤江孝夫・日本原電フェロー、韓慶愈センター理事長、宅間正夫・原産副会長を副団長として、経産省、電力、プラントメーカー、原研、電中研等から現地参加を含め、22名の団員が参加した。

 中国側からは、中国核学会の伝満昌秘書長・秦山核電基地陳衛國党副書記長を代表とする32名が参加、活発な交流会となった。

 今回は供用中プラントにかかわる安全性・性能向上と経年化対応についての技術報告や情報と経験の交換が中心で、双方から充実した報告がなされるとともに、現場に立脚した熱心な質疑応答がおこなわれた。テーマとしては、運転保守、安全管理、経年化対策、また、運転・保守員の教育訓練、放射性廃棄物の処理・管理、安全文化と倫理などが取り上げられ、中国側からは、日本の経験を学ぼうという高い熱意が感じられ、次回を約して散会した。

 会場から約10キロの秦山1、2、3期発電所を視察。3発電所それぞれ独立経営で主契約者も異なるので、それぞれに特色ある運営がなされており、原子力開発初期における多様化と競合性の段階、と感じられた。

 上海核工程設計院では、中国の意欲的な原子力開発計画の説明があり、ほとんどが30歳台と見られる若い技術者で、近未来の原子力にかける熱意に感銘を受けた次第である。中国の現在の発電設備容量比は、石炭74%、水力24%、原子力1.6%であるが、2020年には原子力4%、2050年には10%を目指す。原子力発電については、従来の「適度に開発する」から「積極的に推進する」に変わったことは知られているが、現地に来てその勢いを如実に感じた。

 6日間にわたる中国側の親切かつ手際よいアレンジに感謝するとともに日本側の参加者ならびに事務局の皆様に厚く御礼申し上げる。(藤江孝夫、宅間正夫)


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