[原子力産業新聞] 2006年1月12日 第2314号 <3面>

[IAEA] 原子力世論調査 アジア・米で新規原子力に高支持

 国際原子力機関(IAEA)がグローブスキャン社に委託して行った、18か国・約1万8000人を対象にした世論調査で、「市民の大多数(62%)は既存原子力発電所の継続運転を支持するが、多くの人々(59%)は新規原子力発電所の建設を望んでいない」ことが明らかになった。

 原子力オプションが、急成長するアジア諸国で積極的に取り上げられ、一部の欧州や米国では原子力発電が再検討されている中、原子力産業界および政治家は、原子力の安全性および効率性について、十分に国民の信頼を得る努力をする必要がある。

 国別にみると、原子力支持率は韓国が最も高く、米国とインドでは多数の人々が新規原子力発電所の建設を支持している。一方、モロッコ、ヨルダン、サウジアラビア、カメルーンでは、大多数がすべての原子力発電所の閉鎖を望んでいる。

 IAEAの認知度、IAEA査察の有効性、核物質と原子力施設の保安とテロの脅威などについても調査した。その結果、各国の原子力計画に対して、IAEA査察が有効でないとしたのは46%、有効としたのが29%であった。核物質および原子力施設のテロ攻撃に対するリスクが高いとしたのは54%、低いとしたのが28%であった。

 原子力の平和利用については、医療用として支持するが39%、発電用が26%。気候変動に効果があってもエネルギー需要を満たすための原子力の拡大に47%が反対、38%が賛成。全体として賛成多数の国は、韓国、インドネシア、メキシコ、インド。原子力発電所の新規建設に対しては10%が支持している。

 IAEAの認知度は低かったが、回答者の25%は聞いたことがあると答えた。また、アジアや中東では比較的認知度が高かった。IAEAをよく知っている人々は、IAEAの査察の効果を好意的に評価する傾向がみられた。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.