[原子力産業新聞] 2006年1月19日 第2315号 <2面>

[イラン] 保障措置用封印を除去 ナタンツ濃縮施設等で

 イランの保障措置協定違反を国連安全保障理事会に持ち込もうとする動きが高まる中、国際原子力機関(IAEA)は10日、イランがナタンツにあるウラン濃縮関連機器および資材から、IAEA保障措置用封印の除去を開始、翌11日に除去を完了したと発表した。

 イラン側が封印を除去したのは、ナタンツ濃縮施設のほか、パーズ・トラシュとファラヤンドにある試験・貯蔵施設。除去されたIAEAの封印は、P―1遠心分離機部品、マレージング鋼、高張アルミニウム、遠心分離機の製造機器と品質保証用機器、UF6が入った2本のシリンダー、およびナタンツの濃縮パイロット施設(PEEP)のいくつかの機器などに付けられていた。

 イラン側はIAEAに、これら3か所の封印を9日までに取り除くように求めていた。PEEPのカスケードホールとUF6供給所は、これまで通り、IAEAの封じ込め及び監視が行われている。IAEAのエルバラダイ事務局長は、イランの封印除去に「深刻な懸念」を表明、濃縮活動の停止と、関係諸国との対話継続、IAEAへの協力と透明性の確保などが、問題解決の鍵だと述べた。


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