[原子力産業新聞] 2006年1月26日 第2316号 <1面>

[東芝] 優先交渉権獲得 WH買収交渉大詰め

 東芝は24日、米ウェスチングハウス(WH)社の買収について、WH社の親会社である英原子燃料公社(BNFL)から優先交渉権を獲得し、交渉を開始した、と発表した。

 東芝は、電力安定供給と地球温暖化防止の観点から世界的に原子力事業への需要が高まっており、WH社をグループに迎えることにより、同事業のグローバル展開を大きく加速するとしている。また、PWR事業への参入で、BWR事業とのシナジー効果を目指す。

 WH社の買収では、三菱重工業、米ゼネラル・エレクトリック社なども積極的に応札したが、BNFL社にとって東芝が最も有利な買収条件を提示した。東芝は現時点で提示した買収条件や共同の買収企業などは公表していない。

 一方、BNFL社は23日、東芝をWH社売却の優先入札会社に決めたと発表した。

 BNFL社のマイク・パーカー・CEOは「東芝は原子力事業において長い実績を持つ企業。これまでの世界の原子力業界や米国経済に対するウェスチングハウスの貢献を引き続き確実に充実させると考える」などと語った。

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 三菱重工業は24日、WH社に関するコメントを発表した。

 優先交渉権について、残念な結果とする一方で、WH社技術の永久使用権を得ており、現在運転中のPWRプラントのメンテナンス業務、新設予定の同プラント建設などに支障はない。今後の海外商談はAPWRで対応するが、現在WH社と進めている中国での商談は、客先及びコンソーシアムパートナーと協議するとしている。


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