[原子力産業新聞] 2006年1月26日 第2316号 <3面>

[UKAEA] 拡大する英国の廃炉市場 契約獲得に向けアライアンスを結成

 今後、英国内及び欧州で拡大が見込まれる廃炉・浄化ビジネスに向けて、英国原子力公社(UKAEA)は16日、AMEC、CH2Mヒルの両社とともにアライアンスを結成した。今後、年間20億ポンド(約4090億円)、総額560億ポンド(約11兆5000億円)とされる英国の廃炉・浄化市場に乗り出す。

 英原子力デコミショニング機構(NDA)は、英国内の20の原子力サイトの浄化について競争入札を進めており、このうち約半数は2008年末までに競争入札を行う予定。UKAEA率いるアライアンスはこれらを受注したい意向だ。また、東欧や旧ソ連諸国でも今後、大規模な廃炉・浄化市場が生まれることが予想され、これらの契約獲得にも乗り出す。

 UKAEAは、これまで15の研究炉の完全撤去など、廃炉と浄化で豊富な経験を持つことを強調。また、今回パートナーとなったAMEC(本社=ロンドン)は計画管理能力で実績があり、米コロラド州を本拠とするCH2Mヒル社は、米エネルギー省(DOE)のロッキーフラット施設の廃止を完了するなど、浄化等で豊富な実績を持つことを強調した。

ドーンレイ浄化でも契約

 英国の廃炉・浄化市場は急成長をとげている。

 UKAEAは6日に、ドーンレイ・サイトの廃止措置で、同サイトに液体及び固体放射性廃棄物の処理プラントを建設するため、ブリティッシュ・ニュークリア・グループ(BNG)とAMEC等4社が作るコンソーシアム「BAND」を選んだ。

 この廃棄物処理プラントは約1億ポンド(205億円)をかけて建設されるもので、高速炉燃料再処理施設の液体廃棄物地下タンク浄化に伴う廃棄物を処理、セメント固化する。これらの廃棄物はドーンレイ施設の廃棄物の8割にもあたり、浄化計画の中で最優先課題とされてきた。元々このプラントの建設には3億2500万ポンド(666億円)かかるとされていたが、他の施設との統合や設計合理化により、大幅に建設費を削減した。この廃棄物処理施設の建設は2007年末に始まる。


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