[原子力産業新聞] 2006年1月26日 第2316号 <3面>

[NASA] RI電池、冥王星へ 打ち上げ成功

 米航空宇宙局(NASA)は17日、冥王星とその衛星カロンに向けて、宇宙探査機「ニューホライズンズ」(=図1)を打ち上げた。

 同探査機の電源には、米エネルギー省(DOE)のアイダホ、オークリッジ、ロスアラモスの各国立研究所が開発した深宇宙探査用のラジオアイソトープ電池RTG(=図2)が使用されている。 NASAは過去40年間、RTGにより、太陽電池が使えない太陽から遠く離れた宇宙空間で探査機を作動させてきた。

 RTGの開発、組み立て、試験は各研究所が分担した。RTGは、深宇宙という苛酷な環境で熱源と電源を供給する「宇宙電池」。プルトニウムの崩壊熱から、電力と熱を宇宙探査機「ニューホライズンズ」と搭載の科学装置に供給する。

 RTGは11キログラムの二酸化プルトニウム238を搭載、崩壊熱は半導体熱電対により電気に変換され、30V直流・240Wの電力を供給する。

 ニューホライズンズ探査機は、太陽系全体を記録的な速度で横切り、人類としては初めて9年後の2015年半ばに冥王星とその衛星カロンに接近し、調査を行う。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.