[原子力産業新聞] 2006年2月9日 第2318号 <1面>

[佐賀県知事] 安全性確保と判断 玄海3号機プルサーマル計画 玄海町の判断、県議会の議論踏まえ 今年前半に最終了解へ

 佐賀県の古川康知事は7日の定例会見で、九州電力・玄海原子力発電所3号機のプルサーマル計画について、県として同計画の安全性は確保されると判断したと発表した。今後、玄海町の判断や県議会での議論を踏まえ、事前了解願への最終判断を示す方針だが、玄海3号機はプルサーマル実施に向け大きく前進、今年前半には最終的な了解が得られる見通し。

 古川知事は、今回の判断に関し、「県はこれまでもプルサーマル計画の必要性については理解しているとの立場を示してきたが、安全性では県民から不安の声も出されたため、公開討論会を重ね、様々な意見を聞いてきた。これにより安全性の論点は出尽くし、県として様々な論点を整理するとともに、九州電力が国の定期安全管理審査において国内で初めてA評価を受けるなど、高い信頼性を確保している事も踏まえ、総合的に安全性は確保されると判断した」とした。

 また、最終判断を示すには、「何より玄海町の判断が必要」とするとともに、「2月の県議会を控えて県としての判断を示した。今後議会の議論を見守るとともに、今回の判断について反論があれば耳を傾けたい」と述べた。

 県の判断として公表した「玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画の安全性について」は合計58ページに及ぶ。安全性に関する県の考え方では、原子炉の制御性、燃料の安全性、MOX燃料の使用実績、平常時の被ばく、事故時の影響、使用済みMOX燃料、テロの可能性、地震への対応などを詳細に説明。併せて九州電力の安全管理体制に関し、これまでの実績などを記述した。

 玄海3号機は昨年9月に経済産業大臣からプルサーマル実施計画について、原子炉等規制法に基づく原子炉設置変更許可を受けており、全国に先駆けてプルサーマル計画を実施する可能性が高まってきた。


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