[原子力産業新聞] 2006年2月9日 第2318号 <3面>

[米エネルギー省] 世界で原子力利用を拡大 「グローバル原子力パートナーシップ(GNEP)」 先進再処理技術開発も

 原子力の役割を強調するブッシュ米大統領の一般教書演説を受け、米エネルギー省(DOE)は6日、米国での使用済み燃料のリサイクルや、途上国への核燃料サイクルサービスの提供などを含む、「グローバル原子力パートナーシップ(GNEP)」を発表した。米国は先進再処理技術の開発を進め、2011年頃実証試験、その後、年2000トン規模の商用再処理工場を運転する構想だ。

 GNEPは、伸び続ける世界のエネルギー需要を満たすため、核不拡散抵抗性が高い新たな再処理等の原子力技術を開発・実用化し、進んだ原子力技術を持つ国々と協力して、世界的に原子力発電を拡大しようというもの。「GNEPは実質的に限りのないエネルギー源を、環境に優しい方法で、しかも核拡散の恐れを減らしながら、途上国に提供するものだ」とボドマン長官は説明している。

 DOEはGNEP開始のため、2007年会計年度に2億5000万ドル(約300億円)を要求する意向だ。

 GNEPの4つの目標は、@米国のエネルギー対外依存度を引き下げるA新たな核拡散抵抗性の高い技術を使って核燃料をリサイクルし、エネルギー資源を回収、廃棄物量を減らすB世界の成長とクリーン開発を促すC世界の核拡散リスクを最新技術を使って低減する――の4点。

 このためDOEは、@米国で新世代の原子力発電所を建設するA新たなリサイクル技術を開発・実用化するB米国の使用済み燃料を効果的に管理・貯蔵するCリサイクル核燃料から回収した物質を燃やす改良型燃焼炉を設計するD途上国が核拡散リスクを減らしながら原子力エネルギーを経済的に使えるような核燃料サービス計画を樹立するE途上国に適した小型炉を開発・建設するF原子力拡大に伴い保障措置を改良する――の7点に力を入れる。

 再処理技術としてDOEは、従来のピュレックス法に代わり、UREX+(ウラニウム抽出プラス)法など、純粋なプルトニウムを抽出しない方法の開発を目指す。先進湿式再処理法であるUREX+法は、ウランと、プルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム等の超ウラン元素を一緒に抽出するため、ピュレックス法よりも核拡散抵抗性が高いとする。

 UREX+法は、実験室規模では成功を収めているものの、商業化するためには実証研究が必要。DOEは「エンジニアリング規模実証(ESD)」として、商業規模工場の設計・運転を念頭に置きながら、他の原子力技術先進国とも協力して、ESDを2011年頃から運転。その後、年2000トン規模の商業用再処理工場を運転したい意向だ。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.