[原子力産業新聞] 2006年2月9日 第2318号 <3面>

[ロシア] 原子力シェア2030年に25% 大統領が目標

 ロシアのプーチン大統領は1月31日の記者会見で、現在、16〜17%の原子力発電シェアを、「2030年には25%に増やす」との目標を明らかにした。同大統領は、欧州ではフランスのように原子力発電シェアが80%にも達する国があることを指摘、北極圏地域の開発を進めるためにも、新たなエネルギー源が必要として、この目標を示したもの。

 一方、ロシア連邦原子力庁のキリエンコ長官も1日、2011〜2012年頃に新たに2基の原子力発電所を建設する考えを明らかにした。同長官はさらに、「エネルギー・セキュリティの観点から、2030年まで原子力シェアを25%まで高めるため、原子力発電所40基の新設が必要」と述べ、エンジニアリング部門を強化する意向を示した。

 ロシアでは現在、31基の原子力発電所が運転中。うち6割が老朽化しているといわれており、既存の原子炉のリプレースが緊急の課題となっている。

 ロシアの有力経済紙は、政府系で同国最大の天然ガス企業・ガズプロム社が、2030年までに40基の原子力発電所を建設する資金として400億〜600億ドルの投資を検討と報じた。同社は原子力発電にてこ入れすることで、国内ガス火力への供給分を減らし、利益率の高い西欧への輸出分として振り分けたい意向だ。


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