[原子力産業新聞] 2006年2月9日 第2318号 <4面>

[日立製作所] ユビキタスプラント建設技術を開発

 日立製作所はこのほど、原子力発電プラント建設に無線識別(RFID)タグを利用するユビキタスプラント建設技術を開発した。来年度に社内実証試験を実施、来年秋頃には実際のプラント建設に使用する。

 同社のRFIDは、世界最小クラス0.4mm角のアンテナ内蔵型非接触ICチップ「ミューチップ」を利用する。配管製造の場合、工場の材料受入れ時点でRFIDタグを取付け、荷受けや発送等の物流を管理。配管の曲げや溶接等の作業管理ポイントでもRFIDにより、進捗状況を収集し効率の良い作業管理ができる。また据付け工事でも荷受けや作業毎の管理を省力化、ヒューマンエラー防止と高いトレーサビリティーが可能になる。

 このほか同社では今回、結線ナビシステムも開発した。RFIDを端子側と芯線側に取付け、結線作業の簡略化やエラーチェックなどに応用可能なシステムで、CADデータに基づき、結線が正しいかどうか自動確認できる。

 RFIDは微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する技術として各種産業への普及が期待されているが、原子力発電プラント建設への適用は同社が初めて。


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