[原子力産業新聞] 2006年2月9日 第2318号 <4面>

[保安院] ハフニウム板型制御棒 全挿入位置での使用を指示 BWR事業者に

 原子力安全・保安院は3日、BWRプラントを使用する事業者に対し、中性子照射量が一定以上のハフニウム板型制御棒(出力調整用)に関し、全挿入位置で使用するよう指示したと発表した。

 この指示は、@熱中性子照射量が1平方cm当たり4.0×10の21乗nを超えたハフニウム板型制御棒は全挿入位置とし、運転中に同照射量を超えるものは、これに達した時点で同位置とすることAこれらの条件を履行するための計画を速やかに策定、措置を実施し、結果を今月7日までに報告する―というもの。現地の原子力保安検査官が指示の履行を確認する。

 ハフニウム板型制御棒のひびは先月9日に、東京電力・福島第一原子力発電所6号機の定期事業者検査で初めて発見された。このため保安院は、東電に対し、@ひび及び破損の状況と発生原因Aひび等が確認された制御棒の製造及び中性子照射量などを含む運転履歴―などの調査を指示。各BWR事業者にも、ハフニウム板型制御棒の使用の有無、同制御棒使用の場合には機能確認や外観確認などを指示した。

 保安院によると、3日現在までの報告で、運転中の原子炉における同制御棒の全挿入試験では全数において問題が無かったが、使用中31本のうち9本、使用済み制御棒129本のうち26本でひびを確認した。

 保安院では早急に詳細調査を実施、今年4月中を目途に原因究明と再発防止策をまとめる予定だが、専門家等の意見を聞き、それまでの間は全挿入位置での運転が適切と判断した。


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