[原子力産業新聞] 2006年2月23日 第2320号 <1面>

[原子力委員会] 4専門家から意見聴取 食品照射専門部会で

 原子力委員会の食品照射専門部会は17日、第3回会合を開催、照射食品に関する誘導放射能、栄養、検知法などについて各専門家から意見聴取した。

 意見を述べたのは、古田雅一・大阪府立大院助教授(誘導放射能)、田島眞・実践女子大教授(栄養)、鵜飼光子・北海道教育大院教授(検知法)、小嶋拓治・原子力機構研究主席(照射施設の安全)の4名。

 古田助教授は、Co60やCs137のガンマ線、10MeV電子線、5MeVエックス線照射などに関しては理論計算とともに、照射胡椒に対する実際の放射能測定でも誘導放射能は無視できることを実証していると説明。田島教授は代謝を続ける食品、水分含量が高い食品、乾燥食品に分けて照射の栄養への影響について説明し、水溶性ビタミンC以外の影響はなく、同Cも加熱の影響が大きいとした。

 鵜飼教授は電子スピン共鳴法ESRや熱ルミネッセンス法TLなど照射食品検知法の現状について説明、各種技術が開発されてきているが、現状では厳密な定量測定は難しいとした。小嶋主席は、Co60ガンマ線や電子線などの照射設備に関する安全確保システムの現状について説明した。

 同部会は次会合(3月13日予定)で日本スパイス協会から香辛料における照射の必要性などについて意見聴取する予定。


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