[原子力産業新聞] 2006年3月2日 第2321号 <1面>

[プルサーマル] 各社プル計画が着実に進展 伊方2次審査終了へ、浜岡は地元容認

 九州電力・玄海原子力発電所3号機に続き、四国電力・伊方発電所3号機、中部電力・浜岡原子力発電所4号機などのプルサーマル計画が着実に進展している。伊方では原子力安全委員会の審査会が安全性は確保できることを基本的に了承。浜岡は地元4市が国への許可申請の容認で合意した。

 原子力安全委員会の原子炉安全専門審査会(会長=中桐滋・東大名誉教授)は1日、第194回会合を開催、同審査会の下に設置された第110部会が「安全性は確保できる」との報告を取りまとめた伊方3号機のプルサーマル計画について、同報告を基本的に了承した。今月7日に開催予定の次会合で、一部分かり易い表現などの修正を加えた報告書を了承する見通し。安全委員会はこの後、保安院に答申する。保安院は昨年7月に一次審査を終え、安全委員会に諮問していた。

 一方、浜岡4号機では御前崎、掛川、菊川、牧之原の4市でつくる浜岡原子力発電所安全対策協議会(会長=石原茂雄・御前崎市長)が2月28日の会合で、中部電力の国に対する原子炉設置変更許可申請を容認した。同社は石川嘉延・静岡県知事の了承を経て、3月中に申請する方針。

 石川知事は、地元の了解が得られるなら国策として進めるプルサーマル計画を否定すべきでないと考えており、今回の4市の合意を踏まえ県の意向を同社に伝える、としている。

 また、やはり地元の意向を確認した上で許可申請を行う予定の中国電力・島根原子力発電所2号機でも2月27日に県議会総務委員会が同発電所を視察するなど、地元の検討が進んでいる。同社は昨年9月に安全協定に基づく事前了解願を島根県と松江市に提出している。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.