[原子力産業新聞] 2006年3月2日 第2321号 <2面>

[日本・ユーラトム] 原子力平和利用協定に署名 機材移転、核物質防護等について規定

 外務省は2月27日、欧州原子力共同体(ユーラトム)との間で原子力協定に署名した。これにより我が国と、欧州25か国が加盟するユーラトム間で移転される核物質等の平和的利用を法的に確保する。

 協定の正式名は「原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定」。同日、ブリュッセルで河村武和・欧州連合日本政府代表部特命全権大使とアンドリス・ピエバルグス欧州委員会委員(エネルギー分野担当)が署名した。

 協定本文と3種類の附属書(設備及び資材リスト、第3国移転の際に取り付ける保証内容、核物質の防護水準)で構成。日・ユーラトム間で移転される核物質及び原子力関連資機材の平和的利用を保証、同核物質には国際原子力機関(IAEA)の保障措置が適用される。また第三国に再移転される場合には再移転先国から平和的利用等の保証を取り付ける。このほか原子力分野における研究開発協力の発展、本協定と日英・日仏原子力協定との関係などについても定める。

 我が国とユーラトムが協定締結交渉を開始したのは1995年。英仏への使用済み燃料再処理の依託により回収されるプルトニウムやウランを燃料に加工するためベルギー、ドイツ、オランダなどへの移転が見込まれた。01年には基本合意に達したが、欧州連合の拡大にともない調整を重ねてきた。


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