[原子力産業新聞] 2006年3月2日 第2321号 <3面>

[トルコ] 原子力500万kW計画 エネ相が表明 シノップで12年運開

 トルコのエネルギー天然資源相H.グラー氏は2月9日、今後15年間の国のエネルギー需要を満たすために、500万kW分の原子力発電所建設を計画していることを明らかにした。グラー氏は、米エネルギー省(DOE)のボドマン長官の招きで、米首都ワシントンを訪れていたもの。グラー氏はバージニア州のノースアナ原子力発電所も訪問、技術的説明を受けた。

 同氏は「石油価格の上昇とエネルギー源多様化の必要性により、原子力が最優先課題となっている」と説明、同国が原子力を必要としていることを強調した。同国のエネルギー計画について、「2020年までのエネルギー需給調査の結果、5,400万kW・1,280億米ドルの電力設備投資が新たに必要と分かった。500万kWの原子力投資を計画している」と答えた。

 トルコ初の原子力発電計画について同氏は、黒海沿岸のシノップに2007年から建設を開始、2012年に運開を予定すると述べた。原子力発電計画については2月28日に国家安全保障会議が開かれる。

 トルコでは1970〜90年代にかけ、何回も原子力発電所建設計画が浮上。同国北西の地中海沿岸のアックユに建設する構想が出され、1997年には入札も行われた。しかし同国の経済状況等から2000年7月、計画は凍結された。


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