[原子力産業新聞] 2006年3月9日 第2322号 <1面>

[FNCA] コーディネーター会合開く 原子力教育訓練など議論

 アジア原子力協力フォーラム(FNCA)は今月1日から3日まで都内で、第7回コーディネーター会合を開催し、アジア原子力教育訓練プログラム(ANTEP)の具体的な実施方策などについて議論した。

 ANTEPは昨年の大臣級会合で創設が合意された教育訓練プログラムで、現在、その内容の検討が進められている。今会合では全参加国がANTEPの進捗状況に対して強い支持を表明。ANTEP事務局が実施した各国ニーズとプログラム内容に関するアンケートも紹介され、中国、韓国などからニーズを踏まえたプログラムの追加提供が提案された。実際の研修生の受入れについても検討されており、ニーズに合致したものから早期に研修生の派遣、受入れを実施することが合意された。

 FNCAでは今夏、中国で開催予定の人材養成ワークショップで、同プログラムの進捗状況や今後の活動の充実など検討する。

 このほか今会合では各プロジェクトの進捗状況を報告。農業では干ばつや病気に強い品種の開発を目指す放射線育種で乾燥に強いソルガムや大豆での成果、バイオ肥料では03年から05年まで各国で実施された圃場試験で収穫量が最大122%増加した等の成果など。研究炉利用では日本が各国に提供した中性子計算コードを用いた炉心計算による良好な結果など。原子力安全文化ではベトナム、韓国、インドネシアで実施された研究炉の安全文化ピアレビューの進展など。工業利用では電子加速器プロジェクトにおける液体天然高分子への応用(日本)、排煙処理(中国)、廃水処理(韓国)などの成功例が報告された。


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