[原子力産業新聞] 2006年3月23日 第2324号 <2面>

[日露協力] メーカー技術的パートナーシップで「日本側の協力が必要」 カリーニン氏が要請

 ロシア複合研究所のA.カリーニン副所長(モスクワ国立大学教授)は16日、ロシアの電力・原子力産業の現状と日本企業との協力の機会について、日本原子力産業会議で講演会を開催(=写真)、会員等約40名が参加した。

 カリーニン氏は、日・ロの機器メーカによる技術的なパートナーシップ、両国メーカーが協力して海外市場に進出する可能性、ロシアの製造施設の改善・アップグレードでの協力の可能性などについて語った。

 カリーニン氏は、ロシアの火力発電所はほとんどが、従来からのガス炊き火力であり、複合ガスタービン発電(CCGT)は1%に過ぎないことを挙げて、ロシア国内にガスタービンの十分な技術を持つメーカーがないことから、日本のメーカーとの協力が必要と訴えた。

 最近ロシア政府が、原子力発電を含む発電用機器の生産能力を飛躍的に高めようとの野心的な政策を打ち出しているものの、ロシアにはこれに応える工業力がないと指摘。日本の協力によってロシアの生産能力と施設をアップグレードし、世界の市場に打って出ることを考えるべきだと強調した。


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