[原子力産業新聞] 2006年3月23日 第2324号 <3面>

[中国全人代] 原子力積極推進へ転換 第11次5か年規画を可決

 北京で開かれていた第10期全国人民代表大会(全人代)は14日、2006〜2010年の経済・社会政策の基本となる「第11次国民経済・社会発展5か年規画(11.5規画)」を可決した。同規画は、「積極的に原子力発電を推進する」とし、100万kW級原子力発電所の開発、先進型炉の開発、高温ガス炉の商業化など、意欲的に原子力開発に取り組む方針を示した。

 中国では従来、5か年計画が国の経済・社会開発の基本となってきたが、市場経済への移行期にあることから、計画経済の色を薄めることを狙って、今回から「規画」との名称になった。

 11.5規画は、原子力については、「積極的に原子力発電を推進する」との基本方針。「原子力発電を適度に発展させる」として急速な原子力発電導入にストップをかけた第10次5か年計画(2001〜2005年)とは、対照的な政策となっている。

 具体的には、100万kW級原子力発電所を重点的に建設し、また改良型PWRの設計・製造・建設を進めるとともに、これらの国産化を実現するとしている。また核燃料についても、探査、採掘、加工技術の開発を進めるとしている。

 一方、「資源節約型で環境に優しい社会の建設」の項目の下で、中低レベル放射性廃棄物処分場の建設と、高レベル廃棄物処分問題の解決がうたわれている。

 科学技術の創造革新として原子力関係では、大型先進PWRの先進技術と、20万kW高温ガス炉の商業化技術が、14の重要科学技術プロジェクトの一部として取り上げられている。


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