[原子力産業新聞] 2006年4月6日 第2326号 <1面>

[六ヶ所再処理工場] アクティブ試験開始 「全社一丸で安全第一誓う」

 日本原燃は3月31日、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を開始した(=写真)。午後2時58分、中央制御室で試験開始を宣言、燃料貯蔵プールから初めて実際のPWR使用済み燃料2体を取り出す作業に着手した。兒島伊佐美社長は、「今日の日を迎え、お祝いと県民の皆さんへのお礼を申し上げるとともに、全社一丸となり安全第一を誓う」と訓示。1日からはせん断作業を開始、同施設の本格試験に入っている。

 午後2時40分から行われたアクティブ試験開始式では兒島社長、峰松昭義・副社長再処理事業部長が訓辞。その後松村一弘・常務再処理工場長が試験開始前の施設の状況確認を指示、和田史博統括当直長が試験開始を宣言した。

 兒島社長は、「このプロジェクトは日本のエネルギー・セキュリティーなどのために重要であり、今日、その貴重な第一歩を踏み出すことができた。立地から20年あまり、事業を信頼し支えて頂いた六ヶ所村の皆さんや県民に心から感謝を申し上げる。試験開始にあたり我々は一層の使命感と責任感を持ち、安全第一の企業文化を育て、それを劣化させないことを誓う。自信と勇気を持ち、この事業に大いなるエールを送りたい」と訓示した。

 現在、同再処理工場に貯蔵されている使用済み燃料はBWR6,040体、PWR1,594体の合計約1,600トン。午後2時58分、この内のPWR1体の取り出し作業を開始した。31日は同2本のバーナブル・ポイズンを取り外し、燃料を移送水路から燃料送り出しピットまで移送する作業を行った。1日からは同燃料のせん断作業を開始しており、今後順次、溶解、分離などの作業に入る予定。

 17か月間の同試験で約430トンの使用済み燃料を使用、約2トンのプルトニウムを抽出する。順調に進めば5〜6か月後に初めてこの抽出を達成することになる。

 日本原燃は先月29日に青森県および六ヶ所村と同試験開始にともなう安全協定を締結したが、31日午前に三沢市など周辺5市町村とも同協定を締結した。


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