[原子力産業新聞] 2006年4月6日 第2326号 <2面>

[保安院] 5年間を安全委に報告

 原子力安全・保安院は3月20日、発足から現在まで5年間の取組と今後の課題についてとりまとめ、原子力安全委員会に報告した。同委員会会合には広瀬研吉・同院長より、保安院の原子力分野における安全規制制度向上、防災対策、核物質防護対策、広聴・広報の体制整備と強化など、これまで講じてきた施策について説明した。

 保安院は、01年発足時の約140名から現在約330名と人員の増強を図るとともに、メーカー、研究機関、危機管理省庁等からの経験者採用のほか、専門性の育成に必要な研修制度を整備するなど、質的な向上にも力を入れて、人的基盤を強化してきた。また、「国民の安全確保と環境の保全」を組織目標として、@安全規制が明確であり公開されているA安全規制は最新の技術的知見を反映した効果的なものであるB国際動向に主体的に対応――を理念に、@強い使命感A科学的・合理的な判断B業務執行の透明性C中立性・公正性――を行動規範として、原子力安全基盤の強化に努めてきたことを掲げた上、各施策の具体的取組を紹介するとともに、今後に向けた課題にも今回の報告は言及している。

 今後の取組について広瀬院長は、「保安院のマネジメントシステムを整備し、自律的な向上を図っていくことが有益」とし、主要課題として、@検査制度の不断の見直しA中間貯蔵に関する規制基準の整備B高レベル放射性廃棄物の安全規制Cアジアにおける国際協力の充実D安全規制に係わる研修・教育の充実E安全確保に係わる関係機関の連携強化―をあげた。


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