[原子力産業新聞] 2006年4月13日 第2327号 <3面>

米国、2005年の設備利用率90% 90%超が00年から定着 スクラム回数も「ゼロ」

 米原子力エネルギー協会(NEI)が3日に発表した原子力発電所の運転指標によれば、米国で運転中の103基の原子力発電所は、2005五年も運転実績(発電電力量、設備利用率等)、安全指標(スクラム回数、放射線作業従事者の被ばく線量等)ともに、これまでのトップレベルを維持。2005年の設備利用率(メディアン値)は90.3%(=上グラフ)。

 これは、世界原子力発電事業者協会(WANO)のデータを用いたもので、2005年には約40%以上の原子力発電所で燃料交換作業が行われたが(2004年は約25%)、原子力発電量は過去最高の2004年(7,890億kWh)を僅かに下回る7,830億kWhを記録した。

 設備利用率(メディアン値)も、2005年の目標値91%には届かなかったものの、過去最高だった2004年の91.2%に次ぐ90.3%を記録した。

 一方、安全関連指標を見ると、運転時間7,000時間あたりのスクラム回数(メディアン値)は、2004年に引き続きゼロとなった(=左グラフ)。2003年のスクラム回数は1基あたり0.8回だったが、これは同年8月の米中西部・東部の大停電の影響という特殊事情によるもの。なお、2005年の目標値は1.0回だった。

 原子力発電所の放射線作業従事者の被ばく線量は、PWR、BWRともに、運転期間延長を目指したバックフィット作業が増加した影響で、PWRが68人・レム/基(メディアン値)、BWRが153人・レム/基となった。いずれも規制値を大幅に下回る数値。なお、2005年の目標値は、PWRが65人・レム/基、BWRが120人・レム/基。


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