[原子力産業新聞] 2006年4月13日 第2327号 <4面>

ITER協定案に最終合意 日本の負担は1299億円で決着 首席副機構長はホルトカンプ氏(米研究者)に決まる

 国際熱核融合実験炉(ITER=図)計画に参画する6か国(日米露韓中印)とEUは1日、東京の国際交流館で第6回次官級協議を開催、各極の費用負担などITER協定の内容について最終合意し、同協定に関する協議を終了した。今年5月にベルギーのブリュッセルで閣僚級会合を開催し、同協定の仮署名を行う予定。

今回の次官級協議は昨年12月、韓国で行われた局長級会議に続くもの。同会議では協定内容の大枠を決定したが、今会合で詳細な詰めの協議を行い、費用負担、各国の製造担当ユニットなどについて最終合意した。

 建設費5,700億円のうちEUは11分の5の45.5%、残りは6か国が等分し各9.1%を負担する。年間300億円(20年間で6,000億円)の運営費はEUが34%、日米が各13%、残りは4か国が各10%を負担。これによりITER本体に関する日本の負担は廃止措置を除き1,299億円となる。

 ITER機構長にはすでに池田要・駐クロアチア大使の就任が決定しているが、今会合では機構長の下に位置付けられる技術担当の首席副機構長に米国オークリッジ国立研究所核破砕中性子源加速器部長のノルベルト・ホルトカンプ氏の就任を全会一致で決定した。同氏はドイツ国籍の44歳。ITER機構の中核となる両氏の決定により、今後国際チームを組織し、活動を開始する。

 ITERを構成する各ユニットの製造分担では、日本は超電導コイル、ダイバータ、加熱装置などを担当することを決定。このほか今会合では、加入脱退規定、特権免除条項、ホスト国のサイト支援事項なども協議。加入脱退規定では、建設期間中の10年間は脱退できないとした。七極の代表は今協議の最終結果を受け入れ、今後各々の関係当局との承認手続きを進めることを確認した。


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