[原子力産業新聞] 2006年5月11日 第2330号 <1面>

GNEP構想 日米協力を基本合意 松田、小坂大臣が米長官と

松田岩夫・科学技術政策担当大臣と小坂憲次・文部科学大臣は今月4日と5日(現地時間)、それぞれボドマン・米エネルギー省(DOE)長官と会談、米国のGNEP(グローバル原子力エネルギー・パートナーシップ)構想に対し、日米が協力することで基本合意した。

4日の松田大臣と同長官の会談には近藤駿介・原子力委員長も同席。同構想に関し、両国が協力していくことで基本的に合意した。大臣が今後、一層密接な情報提供を求めたのに対し、長官はこれを約束した。

近藤委員長はセル・DOE副長官とも会談。同構想と原子力政策大綱に盛り込まれた内容のタイムスケジュールの違い、既存施設を使用した協力などについて意見交換した。委員長は日本が2050年頃を目指し、様々な事柄をアジャストしていることに留意すべきと要請。副長官は早期の共同作業開始を求めた。

一方、5日の会談で小坂大臣は文科省が協力できる分野として、5項目を提案した。@米国の核燃料サイクル施設の共同設計活動A「常陽」、「もんじゅ」を活用した共同燃料開発B原子炉をコンパクト化する構造材料の共同開発Cナトリウム冷却炉用蒸気発生器の共同開発D核燃料サイクル施設等への保障措置概念の共同構築―。長官はこの提案を評価し、積極的に取組む意向を示した。

文科省では同構想を構成する原子力発電の拡大、放射性廃棄物の低減、核拡散抵抗性の高いリサイクル技術の実証、先進燃焼炉(ABR)の開発、燃料供給サービスの確立、輸出可能な小型炉の開発、先進的安全保障措置技術の開発という7要素を検討、4要素に関し5項目を提案した。米国は現在、同構想の具体的プログラムを検討しており、今月中にも取りまとめる予定とされる。両国は今後、このプログラムを踏まえ、協力事項の詳細を協議していく。


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