[原子力産業新聞] 2006年5月25日 第2332号 <1面>

エネ調廃棄物小委 廃棄物政策を積極化 「今後1年が正念場」 報告書骨子案 海外返還もツメ急ぐ

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会の放射性廃棄物小委員会は22日、第8回会合を開催し、高レベル放射性廃棄物最終処分場確保、英仏返還廃棄物対応、長半減期低発熱放射性廃棄物処分の3テーマについて、その審議結果を示した報告書骨子案を取りまとめた。

最終処分場確保では、今後1年あまりが正念場との意識を持ち、関係者が最大限の努力を行うべきと指摘。このため、原子力発電環境整備機構は関心を有する地域で地元に密着して活動し、国は地域支援措置の大幅拡充の検討とともに広報活動に重点的に取組み、事業者も発生者責任の立場から活動の支援に一層努力すべきなどとした。

低レベルを高レベルに等価交換する英国提案、低レベル廃棄物処理をアスファルト固化からガラス固化へと固化体形態を変更する仏国提案は、輸送リスク低減や経済的メリットなどからわが国にとっても有益と評価。国は処分に必要な法律の改正、積立金などの制度措置を講ずるべきとした。

長半減期低発熱放射性廃棄物(通称TRU廃棄物)の内、浅地中処分と余裕深度処分については発生者などの関係者が具体的な実施計画を立案、推進すべきと提起。地層処分は費用確保も含め高レベルと同様の事業スキームとすることが適当で、高レベル処分場での併置処分を選択肢とすることが適切であるとした。ただし、すでに最終処分地選定の手続きが開始されていることから、同処分は地元理解を得ていくことが重要としている。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.