[原子力産業新聞] 2006年6月1日 第2333号 <4面>

少量の体内被ばく 日本原燃 再処理工場で初めて

日本原燃は5月25日、再処理工場の分析建屋で試料の分析作業を行っていた協力会社の作業員が、微量の放射性物質を体内に摂取していたことが確認された、と発表した。

記録しなければならないレベルよりも低く、健康上も影響のないレベル。同工場での内部被ばくは初めて。

5月22日に管理区域用被服を洗濯する前に放射線測定を実施していたところ、被服の右胸部に汚染を確認、この服を着ていた作業員の尿などを調べた結果、微量の放射性物質を体内に摂取していたことが分かったもの。

同作業員は同月19日から20日にかけて、放射性分析試料をグローブボックスおよび排気装置を有する小型装置(フード)で分析作業を行っていた際に、鼻と口から吸引したものとみられる。被ばく評価線量は、年間の線量限度の50ミリSvの約5,000分の1、胸部レントゲン撮影時の約5分の1であり、被ばく歴に記録しなければならない2ミリSvよりも低い。

現在同社では原因を究明中であるが、被ばくしたとみられる同種作業を行う場合は防護マスクの着用を義務付けた。

26日には、青森県と六ヶ所村の担当者が現地を訪れ、原因究明と安全確保の徹底を求めた。


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