[原子力産業新聞] 2006年6月15日 第2335号 <1面>

包括的な制度整備へ 放射性廃棄物小委が報告書

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会の放射性廃棄物小委員会は9日、第9回会合を開催、同委員会の報告書を取りまとめた。今月16日開催予定の原子力部会に報告する。

報告書は前会合で了承した骨子を肉付けしたもの。高レベル放射性廃棄物の最終処分場の確保、海外返還廃棄物への制度措置、長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)地層処分事業の制度化についてまとめた。

最終処分場確保に関連する地域支援措置拡充では、昨年度までの初期対策交付金(文献調査2.1億円/年、概要調査20億円/年)のみに対し、今年度から原子力発電施設等立地地域特別交付金、電源地域振興促進事業費補助金などの追加措置を講じたことを示すとともに、今後の取組みとして、委員から指摘のあった初期対策交付金の大幅な拡充に取組むことを盛込んだ。計画維持には今後1、2年間が正念場との意識を持ち、関係者が最大限の努力を行うべきとしている。

返還廃棄物では英国提案(低レベルから高レベルに交換)、仏国提案(ビチューメン固化体からガラス固化体への変更)とも、我が国にとっても有益と評価。英国提案を受入れる場合には積立額の調整を行い、国は再処理等積立金法の対象とするための措置を講じることが適切としている。仏国提案のガラス固化体は、TRU廃棄物と併せて処分すべきとした。

TRU廃棄物では併置処分も念頭におき、事業の基本スキーム、費用確保の方策などについてまとめた。高レベルと同様に最終処分法の枠組みの下で行い、拠出金は独立主体が管理する。


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