[原子力産業新聞] 2006年7月6日 第2338号 <2面>

四国電力・伊方3号プルサーマル公開討論会 愛媛県が県民理解促進で開催へ

愛媛県は四国電力・伊方原子力発電所3号機でのプルサーマル計画について、7月23日午後、「プルサーマル公開討論会」を開催する。安全協定上の県独自の判断を行うことと、県民への理解促進のために開くもの。会場は県内全域から参加しやすい県庁所在地の松山市「アイテムえひめ大展示場」を主会場に、地元の伊方町民会館を副会場とする。経済産業省も6月4日に伊方町民会館で、「プルサーマル・シンポジウム」を開いていた。

当日は、加戸守行知事による主催者挨拶、概要説明のあと、科学ジャーナリストの中村浩美氏をコーディネーターにパネル討論を行う。

パネリストは、推進側から内山洋司・筑波大学大学院システム情報工学研究科教授、工藤和彦・九州大学大学院エネルギー量子工学部門教授、山名元・京都大学原子炉実験所教授、慎重派から小林圭二・元京都大学原子炉実験所講師、舘野淳・中央大学商学部教授、西尾獏・原子力資料情報室共同代表の各3名。

会場参加者との質疑応答にも約90分をさき、主会場と副会場を双方向テレビ会議システムで結び、副会場からも質問できるようにする。討論会の模様は県内ケーブルテレビ等により生中継する。

加戸知事は、「推進・慎重の立場の学識経験者各3名による討論や、参加者との質疑応答に十分な時間を確保したい」と述べるとともに、「専門家による客観的で率直な議論を通じて論点を明らかにし、県民の疑問にも分かりやすく答えていただき、プルサーマルの必要性や安全性について、県民の理解がより一層深まることを期待している」と語った。

また、耐震安全性については今回の議題からははずしてあるものの、会場からの質問があれば、「適切に答えがなされるよう、国ならびに事業者の出席について配慮したい」と付け加えた。

同県知事は、今回の公開討論会に参加し、「フルに私自身もその場で雰囲気的に感じたい」としており、プルサーマルの可否についての判断は、地元伊方町の判断、県議会での議論などを踏まえて、9月にも決断することを示した。


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