[原子力産業新聞] 2006年7月6日 第2338号 <2面>

原子力委 対インド多角的審議 協力拡大意見が多数

原子力委員会は6月23日、第2回国際問題懇談会を開催、第1回に続きインドをめぐる国際動向について有識者と様々な角度から意見交換した。

今会合には秋山信将・日本国際問題研究所主任研究員、浅田正彦・京大院教授、木村逸郎・原子力安全システム研究所技術システム研究所所長、元駐インド大使の谷野作太郎・東芝取締役、広瀬崇子・専修大教授、堀啓一郎・原子力機構核不拡散科学技術センター技術主席が出席。各専門分野から最近の情勢を分析し提言した。

このうち秋山氏は、米国内の議論を中心に米印原子力合意の戦略性を分析するとともに、日印関係は原子力分野も含む包括的パートナーシップの構築が必要とした。木村氏はインドの原子力研究・開発・利用の現状を説明、日印の原子力に関する関係では、原子炉の安全確保と放射線利用などを中心に、もう少し協力関係を深めるべきではないかと提言した。

広瀬氏はインド外交転換、米印核合意における問題点であるNPT体制の再考、反米化が進むパキスタンとの関係などを説明。併せて今後のインドの展望として、経済自由化の推進、軍事大国化、国際政治におけるプレゼンス増大などを指摘した。また堀氏はIAEAやユーラトムの保障措置手法について、谷野氏はインドや中国大使を歴任した経験から、それぞれの国民性を理解した協力関係構築の必要性などを指摘した。


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