[原子力産業新聞] 2006年7月6日 第2338号 <3面>

オランダ、運転期間延長で合意 ボルセラ原発は2033年まで運転

オランダ唯一の原子力発電所であるボルセラ発電所(=写真 PWR、48万1,000kW)の運転期間が、2033年まで延長されることが正式に決定した。

ゲール環境担当大臣が6月16日、ボルセラ発電所を所有・運転しているEPZ社らとの間で、合意したもの。合意文書には、同発電所の運転期間を、当初閉鎖予定とされていた2013年より20年間延長することが明記されている。オランダでは昨年9月に脱原子力政策が撤回され、今年1月には、同発電所の運転期間を延長する方針が発表されていた。

ただし政府は運転期間延長の条件として、EPZ社の親会社であるエセント社とデルタ社に、省エネルギー、CO2回収、再生可能エネルギーなどの研究開発資金として、政府が支出する補助金と同額の総額2億5,000万ユーロを拠出することを義務付けた。政府は、これにより国内で年間約140万トンのCO2が削減されると試算している。

1973年に営業運転を開始したボルセラ発電所は、運転をめぐり政党間で意見が対立。2013年という閉鎖期限については、2003年5月に発足したキリスト教民主同盟、自由民主党、民主66党の3党からなる連立政権の連立条件の1つとされていた。

同発電所の2005年の発電電力量は37億7,193万kWh。総発電電力量に占める原子力シェアは約4%。設備利用率は95.9%で、好調な運転実績を記録している。


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