[原子力産業新聞] 2006年8月24日 第2344号 <3面>

米上院委 ユッカ計画の議論難航 中間貯蔵を支持する意見も

上院エネルギー・天然資源委員会のドメニチ委員長は3日、ユッカマウンテン処分場について米エネルギー省(DOE)が新たに掲げた2017年3月末という操業開始期限について「あてにならない」と疑問を投げかけた。

ドメニチ委員長は、ブッシュ政権の提出した「核燃料管理・処分法案」について同委員会が主催した聴聞会の場で、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)のスプロート局長に対し「これまでの経験では、ユッカマウンテン計画のスケジュールはあてにならない」と非難。DOEが新たに掲げた2017年3月末のユッカマウンテン操業開始期限について、「DOE自体の作業の遅れの可能性や、地元ネバダ州の訴訟攻勢によるスケジュールの遅れをまったく想定していない」と懸念を露わにした。

また同委員長は、すでに5万トン以上の使用済み燃料が各発電所にサイト内貯蔵されていることから、「2017年に操業開始したところで、処分場はすぐに満杯になる」と指摘。ブッシュ政権の打ち出した再処理路線を考慮するならば、中間貯蔵施設を建設した方が早いとの認識を示した。

スプロート局長は、2017年の操業開始期限はあくまでも「順調に進んだ場合」であると強調。また同委員会に対し、現在7万7,000トンに制限されているユッカマウンテンの貯蔵上限を撤廃し、技術的に貯蔵可能な13万2,000トン以上までに拡大することを訴えた。中間貯蔵施設案に対しても、「まだ課題が多く、ユッカマウンテンより先に中間貯蔵施設がオープンするとは思えない」と真っ向から反論した。

一方、原子力産業界を代表して出席したサザン・ニュークリア・オペレーティング社のB.ビーズリー社長兼CEOは、使用済み燃料引き取り義務の履行に取り組むDOEの姿勢を支持。ユッカマウンテン計画の「目に見える進展」を要望した。


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