[原子力産業新聞] 2006年8月24日 第2344号 <3面>

ナイジェリア 原子力発電所建設を目指す

ナイジェリアのオバサンジョ大統領は、7月31日、首都アブジャでナイジェリア原子力委員会(NAEC)の設立式を行った。

ナイジェリアは、原子力技術の平和利用を目指し、NPTには「無条件に」同意、NAECは、原子力発電所を建設するために中心的な役割を担うとしている。

ナイジェリア北部のザリエにあるアーメドゥ・ベロ大学のエネルギー研究訓練センター(CERT)では、2004年、同国最初の研究炉の運転を開始している。

ナイジェリアは石油は豊富だが、インフラが脆弱である。オバサンジョ大統領は、「12年以内に原子力発電所を建設する」と公言したが、そのためには、既存インフラのアップグレードが不可欠。

米国政府によると、ナイジェリアの発電所は、保守の不備や水力発電所の低水位などから、設備容量をはるかに下回る運転実績を記録しているという。比較的裕福なラゴス市でも、メインストリートでは切れた電線が屋根からぶら下がり、電信柱が倒れている。主要都市の停電はあたりまえであり、電力が安定して供給されている地方はごくまれだ。

ナイジェリアのエネルギー消費量は、1980年以来倍増しているが、電力を利用できる住民は40%にすぎない。アフリカの主要な石油生産国であり、米国への原油供給者としては5番目にランクしているにもかかわらず、1億3,000万のナイジェリア国民の大部分は、いまだに貧しい。


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