[原子力産業新聞] 2006年8月31日 第2345号 <1面>

カザフと原子力で覚書 小泉首相が訪問、調印

中央アジアのカザフスタンを公式訪問した小泉純一郎首相は28日、首都アスタナでヌルスルタン・ナザルバーエフ同国大統領などと会談、両国政府は原子力平和利用協力の覚書に調印した。

覚書は、カザフスタンにおけるウラン鉱山開発で、日本の民間企業も参加するプロジェクトが合意されたことを歓迎。今後さらにウラン鉱山の共同開発や、より進んだ燃料加工レベルでの日本市場への提供などについても具体的協力案件の実現のために、必要な措置を講ずると明記。このために必要な法的基盤の整備等に関し、定期的に意見交換するとしている。

さらに、将来のカザフスタンにおける軽水炉の導入に必要な人材交流、専門家および関係機関間の定期的な対話の実施のために必要な措置を講ずるとし、双方が適切な状況にあるとの理解に至った場合には、二国間協力協定を締結する交渉を開始する、と記述した。

豪州に次いで世界第2位のウラン埋蔵量を誇るカザフスタンでのウラン鉱山開発では、今年1月に同国営企業カザトムプロム社が65%、住友商事が25%、関西電力が10%参画する新規ウラン鉱山開発プロジェクト契約が締結されている。

同国ではロシア製軽水炉のVVER−640(出力64万kW)を3基導入する原子力発電計画を検討しているが、遅延している。

両国は同日、経済関係などを一層発展させる共同声明も発表した。


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